こんなかに何人も男が潜んでる!?『殺せ』って、うちを狙ってんの!?何で!?


心臓が凍りそうになって、足が止まってしまった。


そっとその場に息を殺してうずくまる。すると後ろからライトの光が射したから、あわてて空いてる部屋に逃げ込んだ。


アイツら、ライト持ってるんや!ちゅうか誰やねん!うちって知ってて狙ってんの!?


腰を落としてドアの裏側に隠れると、複数の足音と話し声が近づいて来るのが分かった。


「クッソどこだ!」


「誰か出口張れ!」


「逃げられたらシャレなんねーかんな!」


話し声は隠れてる部屋のすぐ外や。部屋のまえにおる。


入って来んといて……!


私の祈りが通じたのか、それとも焦りからか、男たちは部屋を調べることなく素通りしていった。


足音が遠のいて、ほっ…ッと息をついたものの、状況が最悪であることにかわりない。


.