学校が終わると、いつものように鬼塚さんが迎えに来てくれた。彼の運転する車の後部座席でひとり、窓に映る自分をながめていた。


それにしてもホンマ似てないわ。私と朔夜。どうしても兄ちゃんと思えへん。


でも、初めて"妹"の話をしてくれた時、テレパシーのように朔夜の気持ちが伝わってきた。


分かった気がした。双子だからやろか?


朔夜の寂しさや孤独が伝わってきた。だからひとりにしたくない……って強く思ったんやけど、私の独りよがりだったんかな………?



「どうされました小夜子?顔色がすぐれませんが」


油断するとつい旦那さんのことばかり考えてしまう私に、運転中の鬼塚さんが話しかけてきた。


「…あ、や、ちょっと。旦那さんが…」


「朔夜様がどうされました?」


私は小さく息を吐き、一呼吸おいて答えた。


「離婚、しようかと思って」


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