「……にしてもさ、紫月もバカだよねー?花火分解して大火傷するとか。爆弾でもつくる気だったのかなー?ねぇ小夜子!」


「…………え!?…あははは…どーやろ…」


おもむろに旦那さんの話題をふられドキリとした。私はひきつった笑いを浮かべる事しかできない。


そう、旦那さんこと紫月は、『花火を分解してたら爆発して火傷した』ことになってるんや。


「しっかし家が火事になった小夜子が無事で、遊んでた紫月がああなるって皮肉!顔だけは守られて良かったぁ!」


事情を知らない市川さんが軽くそう言ったけど、私の胸にグサッと言葉が刺さった。


そうやない。旦那さんがあんな姿になったんは私のせいや!私を助けようとして……


もしかして旦那さんが冷たくなったのは、やっぱり火傷のせいかもしれん。私を助けたこと後悔してるのかも……


そもそも私と結婚しなかったら、あんな大火傷することも、死にかけることもなかったしな。


旦那さんかて、好きで私と結婚したわけやないしな。


そうや、
きっと何もかも嫌になったんやろな……。


ちらりと隣の紫月白夜の席をみた。また授業が始まり、時間は淡々と過ぎてったけど、旦那さんは教室に現れなかった。



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