自嘲気味に笑う朔夜は、まるで魂のない人形のように見えた。


「帰れ…て、どーいう意味?」


「そーいう意味」


「………離婚、するてこと?」


「夫婦ごっこ終わり。もう飽きたわ」


「"夫婦……ごっこ"」


「心配しなくても大倭会のシマには、手ェ出さねーでおいてやるよ」


「いや、そんなことは別に…!」


「俺の前から消えろ。お前が行かねーんなら俺が行く」


冷たく吐き捨てると、腰を浮かした旦那さんの腕にしがみついた。


「待ってよ!怒っとるん?……うちのこと、そこまで嫌いになったん!?」


「別に嫌いじゃ……」


「え?」


「……っ!…ンでもねーよ!忘れろ命令だ!

けどな、極道としてひとつ忠告してやる。あの男には………お前の兄貴には、せいぜい気をつけた方がいいぜ。お前見事に騙されてるけど、中身は血も涙もない鬼だ。

俺には分かる」









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