でもこのとき、ふいに朔夜が浮かんで……


口をついたのは裏腹な言葉やった。




「ごめん……。うち今は実家に帰れん。いくら政略結婚でも、ホンマの兄ちゃんでも、いまは……ひとりにできん。

ごめんね……兄ちゃん……」







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