「依子は二人が大人になる前に、結婚は止めさせなければと思った。けど事実を打ち明ける勇気はない。時が過ぎれば過ぎるほど、自分が犯した罪に堪えきれんようになって…

心の病を発病した。

そして俺のオカンにだけすべてを告白して……帰らぬ人になったんや。


俺はオカンの今際の際に、いま話したことを聞いたんや。『小夜子を守ってあげてや』と言い残してな。

オカンは世話してくれた依子に恩返ししたかったんやろ」




ここまで話すと、ようやく兄ちゃんはため息とともに話を切った。


こめかみをおさえながら、とても苦しそうに私をみた。


「……以来俺も、婚約を破棄する方法を考えたけど……無理やった。強引に破談にしたら全面抗争や。死人がでる。けどお前を守りたかった。結婚をぶち壊して、小夜子を取り戻すつもりやった」


「それにしても、生き別れた双子が許嫁になるなんて、なんの因果やろなぁー…」


兄ちゃんは頭を抱え、もう一度深く息をついた。


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