けれど、お兄ちゃんがそんなことを言うてくれることはなく、時間はどんどん流 れ、


二人だけでゆっくり話しをする間もない まま、夜の婚姻の準備は進んでいった。


時計がお昼を回ったころ、私は屋敷を抜 け出した。


別に逃げようとしたわけやないけど、ひとりになりたかった。



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