兄ちゃんは私が落ち着くのを、長い時間待ってくれた。そして切り出した。
「小夜子はこれからどうしたい?」
「…これから?」
「今度のことだけやなく、今までも何回か危ない目にあったやないか。それでも東京におる気か?」
「危ない目…って…」
もしかして駅で不良たちに拉致られたり、校舎から鉢植えを落とされた事を言うてんのかな!?
でも何で兄ちゃんが知ってんの!?
「なんやその顔?何で俺が知っとるか不思議か?はははッ。黙っとったけど、小夜子のそばに息のかかったモンを忍ばせとんのや。お前が心配やから」
「えっ!?それホンマ!?誰!?」
「内緒や。小夜子は芝居が出来ひんから正体知ったらバレてまう。御劔組にバレるとめんどいし」
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