きっと昨日までの私なら飛び上がって喜んでた……


でも、今も意識が戻らない旦那さんのことを思うと、嬉しいって気持ちが消えていく……


私たちはホンマの夫婦やないけど、こんな終わり方は……


「どないした小夜子?あんなに結婚嫌がってたやないか。半年一緒におるうちに、西園寺朔夜に情が移ったか?」


兄ちゃんにそう訊かれ、顔がカァァァッっと火照ったのが分かる。


「そ、そ、そ、そんなんちゃうよ!!ただ、いま離婚すんのは…えっと、なんて言うか…人としてどーかと…」


しどろもどろに捲し立てると、兄ちゃんは真顔になって私を見た。


「二人だけで話がしたいわ。大事な話や」