広いリビングに足を入れると、これまた 広いテーブルの向こうにお兄ちゃんはい た。
高級なシャツを無造作に着こなして朝食 を食べていた。
黒の短髪が、窓からさす光に照らされて綺麗やった。すこし伸ばした無精髭も精悍な顔だちに似合ってる。
とたんに騒がしくなる私の心臓。朝食が 並べられたいつもの席につくと、お兄 ちゃんと目があった。
「尊兄ちゃん!!来てたんや?」
「久しぶりやな、小夜子。なんや太った んとちゃうか?」
「久しぶりに会うて、失礼なこと言わん といて。お兄ちゃんこそ老けたんちゃ う?」
つい憎まれ口を返してしまったけど、お 兄ちゃんが老けたなんてことはない。
お兄ちゃんはいつだって誰よりも素敵。元女優さんやった母親ゆずりの男前やし。
身長も高いし、所作もスマート。おまけ に十五歳からアメリカに留学しとったから語学も堪能やし。
極道といえ帝王学や経済学も知らなあかん。昔ながらのやり方は今の時代に通用せんて、お兄ちゃんはそういって勉強も怠らない。
それに子供のころから続けてる空手と剣 道は黒帯。試合にも喧嘩にも負け知らず。
容姿端麗、文武両道。 おまけに私にだけいつも優しい。
つまり、私にとって、尊お兄ちゃん以上 の男なんか、この世に存在しないんや。
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高級なシャツを無造作に着こなして朝食 を食べていた。
黒の短髪が、窓からさす光に照らされて綺麗やった。すこし伸ばした無精髭も精悍な顔だちに似合ってる。
とたんに騒がしくなる私の心臓。朝食が 並べられたいつもの席につくと、お兄 ちゃんと目があった。
「尊兄ちゃん!!来てたんや?」
「久しぶりやな、小夜子。なんや太った んとちゃうか?」
「久しぶりに会うて、失礼なこと言わん といて。お兄ちゃんこそ老けたんちゃ う?」
つい憎まれ口を返してしまったけど、お 兄ちゃんが老けたなんてことはない。
お兄ちゃんはいつだって誰よりも素敵。元女優さんやった母親ゆずりの男前やし。
身長も高いし、所作もスマート。おまけ に十五歳からアメリカに留学しとったから語学も堪能やし。
極道といえ帝王学や経済学も知らなあかん。昔ながらのやり方は今の時代に通用せんて、お兄ちゃんはそういって勉強も怠らない。
それに子供のころから続けてる空手と剣 道は黒帯。試合にも喧嘩にも負け知らず。
容姿端麗、文武両道。 おまけに私にだけいつも優しい。
つまり、私にとって、尊お兄ちゃん以上 の男なんか、この世に存在しないんや。
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