このとき、探してる女の人の正体を知りたい好奇心よりも、純粋に朔夜を心配だと思った。


どうして泣いた後のような顔をしているのか。どうしてそんなに寂しそうなのか。


「小夜子には関係ねーって言ったろ」


「関係なくないやん!いちおう夫婦やろ!」


「夫婦か?俺たち?」


「い、ち、お、う、やけどなっ!!」


「そんなに俺のことが気になって仕方ねぇなら教えてやってもいいけど」


「べ!?別にうちはアンタのことが気になって…」


「俺の妹」


「仕方ないわけや……………えっ!?」


「探してんのは、双子の妹」


「双子の…妹…!?旦那さん、双子の妹がおったん!?」


「死んだ親父は話したがらなかったけど、ガキの頃、当時の使用人たちが噂してたからな」


「なんで生き別れになったん!?」


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