ドルシネア姫




そして、高校生に上がった時、


「悠斗。ちょっと、私と出かけて欲しいところがある。」


そう、この国の殿下である父親に言われて俺は父の後をついて行った。


そして、連れて行かれたのは…


「父さん、俺バレエなんか興味ねぇよ。一人で行きゃー良かったのに。」


俺が減らず口を叩いていると、


「静かにしろ。ここは神聖なバレエコンクールの場だ。次に出てくる子をしっかりと見ておけ。」


びしゃっとそう言われ何も言えなくなり前を向いて


その、父さんが言う゛その子゛が出てくる舞台を見た。


『10878番 ドルシネアのヴァリエーション』


と、コールされた途端ざわめきうるさかった会場は一瞬にして物音一つたたなくなった。