ドルシネア姫




だから、


「あっ、あの…、
私はここから歩いて行きます。」


二階堂さんに言うと、


「花恋様、そのような事をしたら私が殿下にお咎めを下ります。」


「お父様には私から言っておくので。」


「花恋様、そのような事は…」


二階堂さんの言葉を遮ったのは後三条君だった。


「本人が歩いて行くって言ってんだから良いだろ。
めんどくせーから早く行くぞ二階堂。」


真っ黒なベンツは私の前を通り過ぎた。