ドルシネア姫

❁悠斗Side


「悠斗。入るぞ。」


「あぁ。」


父さんが入ってきた。


「さっに、花恋ちゃんと話してきた。こんな宮殿に一人ぼっちは可哀想だし寂しいから悠斗が気にかけてやれ。」


何言ってんだよ。


笑えるよ。


「そんなに斎藤花恋に執着するほどあんなやつに何か有んのかよ。それに笑えるよな。父さんだって母さんに寂しい思いさせてきたじゃないかよ。毎日泣かせてさ。そんでもって、それを知りながら父さんは逃げてた。だから、母さんは死んだんだよ。」


「それは、反省してるし私だって後悔してる。
だから、お前にそうなって欲しくないから花恋ちゃんを選び、花恋ちゃんを気遣えって言ってるんだ。」



父さんはそれだけを言って部屋を出た。