ドルシネア姫




「おいおいおい。悠斗お前イケメンな顔にクマできてんぞ。」


と、幼稚舎からずっと一緒でバレエ界の自称貴公子の草壁蒼-Kusakabe Aoi-


に笑われた。


「うるせぇーんだよ。俺の事情も知らねーのにいちいち言ってくんな。お前も父さんも。」


俺はそっぽを向いた。


「殿下と喧嘩したん?」


「喧嘩つーか、美波を否定されたんだよ。
俺が勘違いしてるとかなんとかって。全く理解不能なんだよ。」


蒼は急にしおらしい顔をして言った。


「その美波ちゃんって、本当にドルシネアを踊った子なの?悠斗の心を動かした子なの?」


「だって、あいつこの間のコンクールで踊ったって言ってたし。」


蒼を睨みつけると、


蒼も俺を睨みつけた。