ドルシネア姫

❁悠斗Side


「父さん。意味分かんねぇよ。」


俺は帰りの車の中で反抗した。


「決定事項なんだ。私はこの国のバレエ界改革を行なってる。だから、花恋ちゃんは必要不可欠な存在なんだ。」


なら、なんで…


何でも無い斎藤花恋なんだよ。


美波じゃ駄目なのかよ。


俺はあの儚くて脆い踊りを見ていたい。


斎藤花恋なんかバレエと何も関係ねぇーじゃんかよ!