「死んだ者の死体は、墓に埋めることはなく、なんか特殊な経路を使い、ドブかどっかに廃棄されるらしい…」


竜は勢いよく煙をはくと、続けた。


「…んで目的は、実験と装った政府の退屈しのぎ…俺らがボクシングを見るのと同じ…観戦して、楽しんだり、賭けたり…してるわけね…」



華菜の顔が、苦い表情になった。


「…なんで…そんな…」


「…裏ルートを使って勝手に前から調べてたことだけど…その理由がどうしてもわからなかった…俺の知ってるのはここまでだな」


竜はヨロヨロしながら立つと、二人に手を貸した。


「早く出口をみつけるぞ馬鹿共、」



夢は、なにかを決心した目で、竜の手を握った。



「…情報提供ありがとう…竜…俺…絶対出口を見つけて帰るよ…」」



竜はニタッと笑うと、
「まっせいぜいがんばりましょうや…」
…と言った。


華菜だけが、まだ苦い表情をしていた。