「……嫌いじゃない…かぁ。」


永遠はネロの後ろ姿を見ながら、ポツリと呟いた。


「…今の、クラスの奴に聞かせてやりたいよ」


その永遠の言葉に、尚は複雑そうな表情をした。






その理由。


川里ネロはクラスの女子を始め、あらゆる人から虐められていた。


虐めの理由は、実に下らないもので、容姿だとか、瞳の色だとか。


後は、電波な為だった。



急に悲鳴を上げたり、人がいない所でブツブツと呟いている。


その行動が気味悪がられていた。




だから、クラスに仲のいい友達は一人もいない。


いや、むしろ学校中を捜しても、川里と仲のいい友達はいないだろう。



気持ち悪いとか、変な娘だとか、多分…今の川里の言葉を聞くと誰も言わなくなるんだろうな。



永遠は一人でそう考えていた時だった。



「永遠!!!やばいよあと5分で学校行かないと遅刻する!!!」




尚のその言葉で、やっと現実に引き戻された。



「マジ!!?」


「急ごう!!走るよ永遠!!」