みんなは部屋から出ると、竜とネロを呆然と見つめた。

「……東堂…川里さん…」


夢が眉を寄せ、安心したような表情をしている。


竜はニッと笑うと、
「ただいま」
…と呟いた。


その横で、ネロがへたれこんでいる真理和の前にちょこんと座った。

「……真理和、怪我はしてない?」

真理和はしばらく呆然としていたが、後からジワーっと目に涙を浮かべていた。



「…ね…ネロちゃああぁん!!!」

真理和は涙と鼻水でグショグショになった顔を、ネロの胸に埋めた。


「…怖かったょね…もぅ…大丈夫…」


ネロは真理和の赤い髪を撫でると、真理和の精神が安定するまで、ずっとこの抱きしめてあげた。


――子供のように泣きじゃくる真理和は、さっきので精神が少しやられたみたいだ。





「東堂…なんでお前達…あの部屋から出れて…」

深美が涙を堪えながら、竜に聞いた。


すると、竜がネロを見て、
「あのクレイジーガールの御蔭だよ…」
…と言った。




「……かった……」