「…遅かった…みたぁい…」

桃の大きな目から、涙が滲んだ。


夢や深美が檻を必死にこじ開けようとしても、ビクともしない。


「……みんな…」

桃は滲み出る涙を袖で拭いて、檻に触れた。



ゴロゴロゴロゴロ……



その時、気持ち悪い…石と石が当たってるような…だけど動いているような、そんな音が耳にはいってきた。


桃は恐る恐る、音のする方を見た。



「…あ…」


視線の先には、何十枚もの刃物が埋め込まれている壁が、こちらに近づいてくる。

勿論、刃は桃の方に向いている。


「…駄目だぁ…抜け出すこと…できないみたい…」

「畜生…!!!桃…!!!なんとか…こっちに…」

夢はボロボロ涙を零しながら、檻をガタガタとゆさぶった。


徐々に近づいてくる凶器を見て、桃はもう覚悟を決めたみたいだ。



「…みんなぁ…絶対生き抜いてね…私みたいに…行動とろくしちゃ…駄目だよ!!絶対出口見つけてね!……美咲、華菜!!ちゃんと協力するんだよ!!」


美咲がボロボロ涙を流して、桃の前に走って来た。

そして、手をギュッと握った。



「ちゃんと協力する…もう我が儘言わない…生き抜くから…!ごめん…ごめんね桃…!!」