二人はア然と千草を見た。


たしかに言われてみれば、思ってた以上に幼いような……。



精神が普通の大人より上だから、とても年上に見えたのかもしれない。



…でも…まだ大人じゃないなんて……

自分達と三歳しかかわらないなんて。



「…呼びにくいなら、゙菖蒲゙でもいいですよ」

「「………」」



あ や め


ちゃんと聞くと、女々しい名前だな…と不意に思った。



真理和がやっと、口を開いた。



「俺は、菖蒲さんって呼ぶよ!!千草さんより、少し親近感わくし…!!」



「そうだな…僕もそう呼びます。」




千草はニコリと笑うと、重いドアを開けた。




「…さ…時間はありません…行きましょう…」




二人は千草について歩いて行った。




そして、今に至る。


薄暗い廊下を抜け


やけに長い階段も上がった。



三人が次に出て来た道は、出口へと続く、とても長い、渡り廊下だった。