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カツカツカツカツ………



薄暗い廊下に、足音が響く。



千草菖蒲は、さっき切った腕に包帯を巻き付けながら、歩いている。



その、薄暗い廊下の、ただ一つだけある窓の前で、足を止めた。




「………。」




窓の先に見えるのは、青い海と、それと同じ色の空。


天気が良いせいで、ただでさえ目立つ金髪が、より光って見える。


「………神崎永遠…黒嶋真理和…」


千草は名前を呟くと、ため息をついた。



「…成功させなければ…あの子達の為にも…国の為にも…」




暇潰しの為の、くだらないゲームから還って来た…まだ幼い少年達…



……最初は、どうでもいいと思った。