「…………!」


真っ赤な血が、床に円を描いた。



「…な…な…に…」



千草は苦し紛れに永遠に苦笑いをすると、言った。


「私の血…見ましたか?」


二人は呆然と床に流れる血を見た。


千草は続けた。


「これは…我が国の軍人が、決意をした時にする儀式…。だけど…やっぱりなれませんね……」



「……千草…さん…」


真理和が傷を見て、わなわなと震える。


結構深く切っている…


見るだけでも痛々しい…



「……この血にかけて…私は貴方達を必ず外に出します……」



千草が無理矢理笑う。



「………これでも…信じていただけませんか?」