「………え…?」


真理和は思わず間抜けな声をだしてしまった。


千草は、優しい笑顔を浮かばせている。


「…協力してくれる軍人はいないので……私一人だけになってしまいますが…それでもよろしいでしょうか…?」


永遠がやっと口を開いた。


「……なん…で…?」



千草は永遠を見た。


「軍人なのに…なんでだよ…絶対罠じゃんか…」



『助けてあげます』

…そう言われても、やっぱり信じられない…。

こうやって、自分達に少しの希望を与えて、最後にはあのゲームのように裏切るんだ……。


……もう…政府なんて信じられない……。



永遠は拳を強く握った。




「………そうですか…」


千草は小さくそう呟くと、帽子を取り、床におくと、ポケットからアーミーナイフを取り出した。




そして、永遠の檻に近づいた。


「………!」



ほら。

やっぱりな…

自分の言う事を聞かなければ、そうやって凶器を見せて、脅すんだ。




永遠がそう思いながら千草睨みつけた。




………が。




千草は自分の左腕を永遠に見せ、次の瞬間―……




――――パヒュ……!!!!



「「!!!」」



千草は自分で、

自分の腕を


切った。