…この状況が

理解できない…




周りには沢山の軍人が叫び


隣の真理和は泣き崩れている。



「……な…に…」



言葉が上手く出てこない。



これは一体…どういうこと?



呆然と周りを見ている永遠と、泣き崩れている真理和の所に、二人の軍人がやってきた。





「神崎永遠、黒嶋真理和…脱出おめでとう…君達が最初の生還者だ…」



真理和はそれを言った軍人を睨み、永遠は呆然と見つめた。




「……今から我々の将軍の所へ向かう…」



もう一人の軍人が、真理和と永遠を睨みつけながら、たんたんと喋った。



真理和が、叫んだ。



「ああ!!!おまえらの将軍に会わせてもらおうじゃねえかぁ!!!!」


軍人の眉が、ピクリと動いた。


「全部…言ってやる…館の中の出来事を…飽きるほどよぉ!!!」

―――――バキィ!!!


叫んだ瞬間、軍人の拳が、真理和の頬にくらわされた。



――――ドシャ!!!!


「真理和!!!」


永遠は真理和をゆっくり起き上がらせると、軍人を睨んだ。


真理和の左頬は赤く腫れ、口からは少し血がでていた。



「………はやく…いくぞ…」



軍人達は、二人の腕を無理矢理引っ張り、はやく歩かせた。






永遠の耳には、向こうでまだ叫んでいる軍人達の声だけが入った。