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「竜、父さんと手を繋ごうか」


「はぁ?ばっかじゃねーの?俺はいくつだっての」


お母さんが風邪を拗らせ、父と二人で風邪薬を買いに行った時、父は竜に笑顔でそう言った。



当たり前に竜は拒否した。


当たり前。
超恥ずかしい。
てか俺いくつだって思ってんだ?

「なんだそれ!!竜のシャイめ!!」


父はそんな竜の頭をグシャグシャにし、無理矢理手を繋いだ。


「キメーな…どーしたんだよ親父!!?」


「竜は本当、大きくなったなー!!まだまだチビだけど、じきにお父さんを抜かすんだよなーあはは」

竜は恥ずかしさを紛らわす為に、父とは目を合わせなかった。


「…いやー…握ったら意外にごつかったわ!!お前の手!!」


―――カッチーン


「るせー!!!手フェチか!!悪かったな!!ごつくてよ!!!」



父は笑って言った。



「…お前が成長するにつれて、手もごつくなるし、身長も高くなる。父さんはその凛々しくなっていく姿を見る度、お前が息子で本当、よかったな…て思うんだ。はは」


竜はやっと父を見て、笑った。


「……ありがとよ、親父」



……俺も…


親父が俺の親でよかったって…


本当に思うんだ。