「ごめん…いくら紫苑にでも言えない…言っちゃいけない気がするから…」


これがもし美碧さんにバレたら、勝手な事しないで!ってすごく怒られそうだし…。


「そうですか…」


さっきの強気な眼差しとは違い、子犬みたいな眼差しで見つめてくる紫苑に、澄桃は肩をすくめる。


「ごめん……」


それを見て紫苑は今までにない位の笑顔を見せた。

「大丈夫です。


でも…」


今度はさっきみたいな強気な眼差しで澄桃を見つめてくる。


一体どれだけ表情を変えるのだろうか…。

「でも…?」

澄桃はそんな移り変わって行く紫苑の表情からひと時も目を離せずにいた。