「そっか、ありがとう! でももう少しで片付くから大丈夫だよ!」
そう無理やりの笑顔を見せる澄桃に、紫苑は眉をひそめながら、少しばかりの笑顔を見せた。
「そうですか…」
美碧さんのこと…本当は誰かに話したい。
美碧さんって、ああ見えて…というか見れば分かるかもしれないけど、1人で抱え込んでしまう性格だから…。
私に出来ることがあるなら何とかしたい。
この生徒会の皆に悩みなんて持って欲しくない…。
「…何か悩み事ですか…?」
「…っ…え?」
治療器具が入った箱を持ったまま立ち往生してた澄桃を見て紫苑はその場から澄桃に近づき、箱をヒョイと持って元の棚に置いた。
「あ、ありがと…」
「いえ…それより…さっきの言葉聞いてましたか?」
「え…?」
実のところ、考え事をしていたので聞こえていたかった。
「何か悩み事でも…あるんですか?」

