「美碧さん、大丈夫ですか?」 そう言った澄桃は、地味に目立つカプセルマシンの横にある細長い椅子に座る美碧の肩に包帯を巻いている。 「え、ええ。こんなのかすり傷よ」 細い肩にグルグルと巻かれて行く包帯を見て、美碧は少しながら苦笑いをした。 あの少年にやられたこの傷… しばらくは血が止まらなかった。 熱い跡が消えなかった。 あの感覚は久しぶり…いや、味わったことないかもしれない。 包帯を巻いたのも…久しぶりだ。