黄ばんだ台紙がまだ真っ白な頃だ。
中学生の頃から蓮凪は上の人間をサポートする事が多く、高校でも副総務という役員の人事だ。
副総務といっても総務の支援であり、会議に参加することはない。まあ総務が欠席だったら出席はする。
ほぼ学級の雑用と会議のノート書記のみだろう。

役員会議があったのは、放課後だった。
「総務の五十嵐です。藍川中出身です」
自己紹介から始まり役員会の仕事内容を説明されるはず。
女子の総務が自己紹介を終えたので立ち上がる。
「副総務の緋色です。藍川中出身です」
自己紹介を終え、座ってから役員を眺める。
・・・1人は知っている。
チラっと見ると目が合った。にやっとしたのを見て顔をしかめた。
総務の五十嵐だ。
なんやかんやで10年来の付き合いがある。悲しい。
何でっていうと理由は長くなるからまた今度。ちなみに幼馴染って訳じゃない
悔しいがイケメンフェイスなのでまぁこの10年来の関係を羨む奴もいる。
むしろそんな人に変わってあげt「・・・いろー?聞いてる?」

焦点を合わせると自己紹介は終わり、議題が黒板に書かれていた。

「あっごめん聞いてない」

「誤魔化したりしないのな。ノート書記やって」

五十嵐にノートを投げられ、片手で受け取る。
(・・・あっ)
しまった。シャーペン忘れた。
あー、どうしよ。借りるか?
頭を抱えてると横からシャーペンが差し出された。