次の日、女子高のあの娘と、会って、約束を実行した。
女子高に、ある部屋が、あり、箱を、開けて欲しい。もし、できたら、一度だけ、なんでも、するとのこと。
僕は、マニア店で買った、その女子高の制服を着て、ロングヘアのカツラを、かぶる。ヒゲは、濃いとは、いえないと、自分では、思うのだが、白粉で、塗り潰す。
その女子高は、小高い山の上に、ある。伝統校らしい、古いたたずまい。
すれ違う娘に、内心ドキドキで、バレないか。横には、約束の娘と、ブレザーで、並んで、理系世界の硬い法則性のような歩きで、合わしている。
校門を、くぐり、学校の先生らしき人が、すれ違う。理系世界の硬い法則性のような歩きが、軟弱な軍隊が、虚勢を張るような歩きに、変わる。
校舎に入る。上履きは、持参で、履き替えた。足がデカイな僕は。バレないか、ヒヤヒヤした。
壁に、心霊写真のシミのような顔のが。しかし、どうでも、いい。
物置部屋に、到着。頭が、熱くなって、約束の娘との、足並みは、ただの案内人に誘導された、弱者に、変わって、いった。
物置部屋に、入り、箒(ほうき)が、ヒモで、ざっくばらんに、ゆわいた奥に、その箱が、あった。
あけた。
その箱のフタの裏側に、僕と約束の娘の名前が、ある。
約束の娘は、
「始め、ビックリしたんだよ!幼稚園の頃、二人で、必死に、名前、掘ったんだよね。」
僕は、
「この箱、幼稚園のだったんだよな。どういういきさつなんだか。君は、名前を一緒に、掘った後、引っ越すし。」
約束の娘が、
「一度だけ、なんでも、いうこと、きくよ。何がしたい?」
目がイタズラっぽい潤いで、僕に、うったえる。
「何度でも、するために、恋人に、なってもらう。はい、恋人。」
そして、キスを、した。
幼稚園の頃にも、やったっけ。あの頃は、生臭いとか、思ったが。第二次成長期は、本当に、心と体を、見事なまでに、変えてくれる。
その後、女子高の購買部で、コロッケパンを、二つ購入。仲良く食べながら、校舎を、後に、した。幼稚園の頃のキスは、二人で公園の水道で、口を、ゆすいだが、今は、二人が、つながる気持ちだ。軽やかな気持ちが、高揚していき、蝶のように舞う気分。僕も、そうだから、きっと、約束を果たした彼女も、そうに、違いない。
[Fin]