『・・・すみません遅くなりました。子供を義母にあずけにいっていたもので・・・』


『いえ・・・こちらこそ今回の事は大変申し訳ありませんでした。』


そう言って僕は須藤の奥さんに深く頭を下げた。

『頭を上げて下さい』と須藤の奥さんは僕に促し、『足場から落ちたと聞きました。どうせ須藤が自分で勝手に上ったのでしょう?ヨシオカさんが負い目になる事はありませんよ。』と続けた。

僕は奥さんをICUまで案内しながら須藤の容態を話した。

落ちた高さは幸いそれ程高くなかった事、背中から落ち後頭部を地面に打ちつけている事、後頭部に裂傷と両肩と両肘の骨におそらくヒビが入っている事、命に関わる様な目立った外傷は他にない事、ただし頭を強く打っていて意識も戻っておらず安心は出来ない事。

須藤の奥さんは僕の言葉を、慌てたり怯えたりする事無く、一言一言を真剣に聞きながら気丈に頷いた。