夜の病院は静か過ぎて、僕が何故この場所に居るのかを一瞬忘れさせる。

10時近くになり突然携帯が震え、僕は突然の着信に驚いたが、すぐに須藤の奥さんだろうと思った。

電話の主は予想通り須藤の奥さんだった。


『あ・・もしもしヨシオカさん?ですか?』


『はい』


『すいません須藤の妻です・・・今病院の前まで着いたんですけど・・・』


『今降りますので・・・そこロビーですか?』


『あ・・・え・ええロビー前だと思います。』


『では、そこで待っていて下さい。』


渡り廊下を行きロビーのある新館側へ向かう。

ロビーの見渡せる中二階から須藤の奥さんらしき人影を見つけた。

須藤の奥さんらしき女性は、ずっと一点を見つめたまま佇んでいた。

そして僕の足跡に気付き、こちらを振り向き頭を下げた。