『ナツエ・・・君はここの5階に何しに来たんだ?』


『・・・何って?』


『俺は君と初めて会った。そして君をここのエレベーターで5階に運んだ・・・』


『・・・それで?』


『ナツエ・・・君はここで死のうとしたんじゃないのか?』


僕は自分の発言に驚いた。意識下で思っていた疑念が口を吐いた。


『・・・なぜ?』


『ナツエ・・・俺は君を愛しているんだ。君のうちに秘めている物を知りたい!!君は何を抱えてる?』


『・・・何も・・・どうしたの?』


『どうもしない・・・最初からだよ!!俺は君の名前しか知らない!!ここに来た理由も!!海で泣いた理由も!!君が生まれた街も!!何もかも知らない!!・・・君を愛しているのに俺は君に何も聞けない!!・・・君が誰なのか知ってしまったら消えてしまいそうで・・・だけど俺は知りたい!!君を知りたい!!・・・ナツエ!!』


僕は自分でも驚く程に興奮し夏恵に言葉を畳み掛けた。