『・・・残念だな・・・露天風呂も駄目だ。』


『・・・入れないのかなぁ?』


『書いてあるだろう・・・無理だよ。』


『いやいやいや・・・分かんないよ。』


『無理だって。』


明子は僕の言葉を振り切り脱衣所に入って行った。

僕は明子を追う様に脱衣所に入った。

明子は脱衣所を走り抜け浴場に入って行った。


『見て!!お湯ちゃんとはってあるよ。』


『・・・電気も点いてないじゃないか。』


『いいじゃない・・・ロマンチックで。』


そう言って明子は浴衣の帯を解き浴衣を脱いだ。

そして『トモユキ早く!!』と下着を脱ぎながら僕を煽った。

僕は浴場の入り口の暖簾も外されており、ここが男湯なのか女湯なのか分からない状況と、いつ旅館の人間が来るか分からない状況に不安を感じたが、明子を一人で真っ暗な露天風呂に浸からせる訳にもいかず渋々入る事にした。