『・・・トモユキ?』


僕は明子の言葉にはっとする。

明子は不思議そうな顔で僕を見ていた。


『・・・大丈夫?』


『あぁ・・大丈夫だよ。何で?』


僕は拭い去れない思考を抱えたまま、それと悟られない様に答え、車を走らせた。


『・・・露天風呂あるよね?』


『あぁパンフレットに展望露天風呂って書いてあったから・・・』


『・・・混浴?』


『混浴では無いだろう・・・』


明子は僕の気を紛らわせる様に話題を振って来た。

僕は相変わらず拭い去れない思考を抱えたまま、うわの空で明子の言葉に答えていた。