海に写る月


「ふぅ…。」


人混みの影響とこれから先の不安から早くもため息を漏らした。


私の乗った駅で乗り込んだ同じ制服の子はいなくて、1つ2つ駅に止まると同じ制服の子がチラホラ目についてきた。


いつの間にか、目にごみが入った様で取り出すために眼鏡を外した。

「なぁ、あの子可愛くない?」

「あれ、ウチの制服じゃん。赤だから、同期かよ!」

「顔ちっちぇ~!」

「バカ!声でけぇよ!聞こえちゃうだろ。」


今時のチャラそうな男子生徒がこちらを指差して話しているのを聞いた。

というか、聞こえてきた。