海に写る月


最寄り駅で電車を待っていると、アナウンスが入り電車が来たが、その電車を見て私はフリーズした。


「こんなの入れないじゃない…。」


想像していた以上に電車内は混み合っていて、人一人入るのも怪しいくらい。


しかし、この電車を逃しても次も同じくらいの人がいるに違いない。

それなら、この中に入るしかない。

そう、腹をくくった。


"ドアが開きます。ご注意下さい。"

アナウンスの後ドアが開いた。


すると、3両車全てで約40人前後の人が何食わぬ顔で降りて来た。


「わわっ!」


一気に人の並みに圧倒されて怯んだが、間をぬって入り込み車内へ乗り込むことができた。