私と母と彼


「はやく行くよー」

母が私を呼んでいる。私は小学五年生の加藤 葵。
今日はお母さんの趣味のバンドに新しい人が入るらしい。お母さんが初めてその人に会いに行くので、半ば強制的に私は連れて行かれる事になっている。

大きなショッピングモール ロジカル につくと、私と母はフードコートへ行ってまず人探しを始めた。

「グレーの服で鞄は黒!背が高いらしいのよ〜。柱の前に立ってるって〜。」

もう、早く帰りたいのに。お母さん独り言多すぎ…。

「あ!いたいた!あの人じゃない!?ねぇ、あおってば!聞いてる?」

私の返事も待たずにお母さんは話しかけに行ってしまった

「こんにちわ初めまして〜、加藤です、メール見てくれました?」

「初めまして、しん です、メール見ましたよ!お子さんですか?可愛いですね〜」

ふーん、しんって言うんだ。案外かっこいいじゃん。

「ほら!あお!挨拶して!」

お母さんうるさいなあ。

「葵です。小5です。」

私の自己紹介が終わると私たち三人はフードコート内のマックへ移動した。