それから、2年。

俺は高校2年生になった。


「く、黒瀬くん、あの...ずっと前から好きでした!付き合ってください!」


ああ、またか、と思い女子が納得する言葉を適当に並べて言った。


「ごめん。俺、ずっと想ってる人がいるんだ。でも...ありがとう」


いつも通りの作り笑顔で。

めんどくさいことにならないように。


「そ、そうなんだ...。なら仕方ないよね...」


今回の女子は諦めが早くて助かる。

押しが強い女子だととても面倒だからホッとした。


2年経っても忘れられない残酷な悲劇。

いつまで経ってもその現実を受け止めることができなかった。