無口な君と。

「あ、っと……」


恐らく赤くなってしまっただろう顔を隠すように
勢いよく下を向いてノートに私の名前を記す。


“新垣 遥”


「アラガキ ハルカ?」


お兄さんに名前を呼ばれてまたドキッ


「はい……」


「ふーん、遥……ねぇ。きれいな名前なんだな。それに字もきれい」

ノートをじぃっと見つめるお兄さんが呟くように言う。


あ……ぅ。もう恥ずかしい。