無口な君と。

「……ウツイさん。ごめんなさい。濡らしちゃいました……」


ウツイさんの肩を指しながら言う。



「気にするな。それよりさ、両思いなんだし?
ウツイさんってやめてよ」



いたずらっ子のような目で私を見る。


わぁ……、やばい。ドキドキです。


「えっと、お兄さんっ?」


「懐かしい感じするけど、なんかちげぇ。
俺の下の名前、覚えてる?」



もちろん覚えてる。

陽さん。


いつか衣頼が言っていた。


「ウツイさんの下の名前誰も知らないんだよ」って。