無口な君と。

大勢いたウツイさんの周りからだんだん生徒は減っていき、最後まで残っていた姫莉ちゃんも名残惜しそうに帰っていった。


それからウツイさんはゆっくりと私の方へ歩いてく。



「久しぶり」

頭上からふってくる声は、あの低く甘い声。


「お久し、ぶりです、ウツイさん……」


本人にウツイさんと呼ぶのは初めてだ。

私が言うウツイさんに慣れていないのか、一瞬びっくりしていた。


「あの、さ。このチョコ、アラガキ……さん?」


アラガキさん、って呼ばれてびくっとなった。

遥ってもう呼んでくれないの?

「はい……」

泣きそうになるのを抑えて返事をする。