Many love's

「かくとだに えやはいぶきの さしも草
さしも知らじな 燃えゆる思ひを」

「何んだそれ。どういう意味?」

「これは、藤原実方朝臣の短歌よ。意味は自分で調べなきゃ宿題じゃないでしょ?」

俺はルーズリーフの端っこに書き写し
帰る準備を始めた。

「あ、佐野くん!補習のノート提出して帰ってね?」

「これっすか?何でですか?」

「んー…最後の補習だから?笑」
ふふっと笑いながら受け取る先生は
どこかさみし気で…

「じゃ、また明日から学校で」
俺は笑顔で手を振りながら歩いた。

さみしそうな笑顔の理由を…
俺は聞けなかった。