緊張しながら中にそっと入っていく。
しかし保健室を見渡しても誰もいない。

「…あれ?悠太……!?」

いきなり後ろから大きな黒い影が現れて後ろを振り向くと

「わっ!ビックリした…。」

悠太がいた。

「やっぱり覚えてたんでしょ?
ゆうなちゃん。」

嬉しそうにニコッとわらいながら言ってきた。

「覚えてるに決まってるじゃん。っていうかほんとに悠太なの?外見変わりすぎて名前言われるまで分からなかった。」

「そりゃあ。中学は別々だったからね。身長は急に伸びたんだよ。」

「そーなんだ…。
学校はなんでこっちに?」

それを言った瞬間悠太は顔を少し照れくさそうにしながら言う。

「…それはゆうなちゃんに
会うためだよ。」

そういって近付いてきた。

「え!?ちょっ、!?」

そのままぎゅっと抱き締められる。
昔は私の方が大きかったのに今は悠太の方が全然大きくて触れているところが全体が暖かく伝わってくる。


そして悠太はそっと耳元で囁く。

「会いたかった。ずっと。」

背筋がゾクッとなった。

今の悠太は昔の悠太の“男の娘“の可愛さは無くなっていた。そして…

「好きだったんだ。ずっと前から。」
抱き締める力が少し強くなる。

「ちょっ、悠太どうしたの!?
昔はもっと背が低くてかわいかったずっ……」カプッ

…へ?カプッ!?
耳を甘噛みされちゃった!?

「俺は昔と違うんだよ…?
今はただの可愛い幼馴染みじゃない。
今は“男“だ。」

少し低めの声で言ってくる。
悠太の声は妙に色っぽくなってて耳元で囁かれると背筋がゾクッとする。

やっと離してくれるとスッと力が抜けてその場で座り込んでしまった。

「…ふふっ、ゆうなちゃんは小さくなったね。可愛いいや♪」

少し黒い笑みを浮かべながら笑ってくる悠太はほんとに“男“になっていた。