貴方を嫌いになった訳じゃないの
そういう言い訳で始まる君の手紙は
僕の心を嘲けるようにもてあそぶ
君はきっと、僕を気遣ってくれたに違いない
だけど君はもう決して僕の元には戻らない

そんな事、頭では解っているのに
僕の心は君を待ち続けている
それが証拠に、僕の冷蔵庫の中では
君が最後に握ってくれたオニギリが二つ
氷の部屋で肩を寄せ合って凍えているんだよ
あれからもう三つの季節を数えたというのにネ

今年のクリスマスに僕は何処でどうやって
時間を潰したら良いのだろう

君の手紙の最後の一行の
さよなら。今度こそ本当にさようなら。
という文面を握りしめ
僕は多分、メソメソと肩を震わせながら
公園の橋の欄干に身体を預けているに違いない
ひとりぼっちのイブに酔いながら
後から後から湧き上がる哀しさに
きっと身悶えしている事だろう

この冬のいかにも切ないクリスマスの青いイルミネーションは
君の居ない季節の象徴のように
僕の瞼の奥深くに焼き付いて離れない

今度こそさようなら。僕の愛した君へ