「チャイム鳴るからそろそろ授業始めるぞ」 と言う彼の声を後ろから聞きながら職員室に向かう。 次の時間空きで良かった。 空きじゃなかったら、もっと慌てて大変なことになるとこだった。 しかもまた隼人におっちょこちょいって言われちゃったし、そのうち隼人の口癖になってしまいそう。 隼人というのはさっき会った数学の水城隼人のこと。 去年からわたしと一緒に新任でここに勤めることになって 同僚という関係だけでなく、実は恋人同士だったりする。