先生の合図で前の人が歩き出す。
「なぁ、茉心って専願?」
「うん、専願だよ」
「え、まじ! 俺も専願!」
「んなら一緒の場所で受けたんだね! 全く覚えてないや」
「俺も」
体育館に入ってからも続く私たちの会話。
「茉心何部入んの?」
「私? んー、迷ってるけど、ダンスかな。 紫苑は?」
「俺入らんよ」
「え? 入らないの? 楽しいのに部活!」
部活の友達とかできて楽しいのになー。
「だってめんどくせーじゃん。 それより毎日遊ぶ方がいい」
んま、それもそうだけどさ…。
少し苦笑いで返す私。
そして会話が終わりしーんとなる。
ゔ、気まずい。
その雰囲気を先に壊したのは紫苑だった。
「そーいやお前、中学ん時は何してたんや?」
「バスケだよ」
