*紫苑side*
俺はバスケが大好きだった。
でもあのたった一瞬で大好きが大嫌いに変わったんだ。
でもその事は今まで家族と仲いいやつ1人しか知らなかった。
ってゆーか言ってないからだけど。
高校に入っても誰にも言うつもりなんてなかった。
なのに初日から話してしまった。
しかも女に。
──咲野茉心
最初は明るい女だなとしか思ってなかった。
でも喋ってると、なんか分かんねーけど、もっと話したくなるってゆーか、聞いてほしいって思っている俺がいた。
他の女と違うんだよな、あいつ。
この時俺は"いいやつ"から"特別なやつ"に変わるなんて1㎜も思ってもなかった。
むしろ気づきたくなかった。