神社の中のお清めの水…とか思ったけど、
バチが当たりそうだからやめておく。
公園に戻って、水飲み場で顔を洗った。
冷たい水は、私を少し冷静にしてくれた。
相川くんとは同じクラス。
湊も夏菜も一緒。
頭が良くて、優しくて、かっこいい。
完璧な彼はすぐに、注目のまとになった。
女子はみんな、相川くんに夢中。
私も例外では、ない。
すれ違っただけで嬉しくて、ドキドキする。
でも、向こうはなんとも思ってないんだな、
って思うと、すごく切なくて、苦しい。
「こんなチャンス、もうないよね。」
ひとり、呟いてから水をとめて、履きなれない下駄で相川くんのところへ急いだ。